大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)3098号 判決

よつて、考察するのに、農林省の指定農村小規模加工事業の指定工場として所定の配給割当公文書と引換に農産物加工用砂糖の配給を受ける法人又は人は法定の除外事由なき限り所定の配給割当公文書と引換えることなくして、これを他に譲渡してはならないことは、右法人又は人の業務に随伴する当然の義務であつて、これが義務は、即ち、右業務に密着する同業務の関連事項に属し、若し、その使用人又は従業員において右適法に配給割当を受けた砂糖を法定の除外事由なきに拘わらず右公文書と引換えることなくして、他に譲渡するときは、その譲渡がその業者たる法人の理事又は主人の承諾に基ずくものなると否と又その譲渡の結果右業者に物的利益をもたらすと否とを問わず、臨時物資需給調整法第六条に所謂法人又は人の使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第四条第一項の違反行為をしたときとあるに該当するものと解するを相当とする。蓋し、斯く解することによつて、主務大臣が、経済安定本部総裁の定める方策に基ずく供給の特に不足する物資の譲渡を禁止又は制限して、産業の回復及び振興を企図せんとする右調整法による統制の目的を十全に達成し得るものであるからである。果して然らば、被告人たる法人組合が、組合員の生産する物資の加工業務を目的とし、前示指定工場として、前示の如く砂糖の配給を受けていたこと及び原審相被告人安中英一は同組合の農産物加工主任として右砂糖の受配、保管、加工等右砂糖の処理に関する一切の業務を担任していたことは、本件記録により明白であるから、右安中英一においてその受配した右組合の砂糖を法定の除外事由なきに拘らず、所定の配給割当公文書と引換えることなくして、他に譲渡したことの認められる。以上、その所為は、即ち右組合の業務に関する所為として被告人組合において、臨時物資需給調整法第六条の規定により、同法第一条、砂糖需給調整規則第六条、臨時物資需給調整法第四条第一項の規定による罪責を免れ得べき限りではない。論旨は採用し難く、理由がない。

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